
五種類ある
醤油
数字
濃口 16〜17% / 薄口 18〜19%
薄口のほうが、濃口より塩分が高い。色が薄いだけで、塩は強い。
薄口は薄くない
日本の外で一番誤解されているのが、これだ。薄口醤油は、濃口より塩分が高い。濃口が16〜17%、薄口が18〜19%。薄いのは色であって、塩ではない。
理由は作り方にある。薄口は発酵と熟成をゆるやかにして色が濃くなるのを抑える。そのために塩を約10%多く使う。塩は色を止めるために入っている。
だから薄口を濃口の代わりに同じ量入れると、色は薄いまま、味は塩辛くなる。逆に濃口を薄口の代わりに入れると、味は合っても料理が茶色くなる。入れ替えはきかない。
五種類
日本農林規格は醤油を五つに分ける。原料と仕込み方が違う。出荷量では濃口が全体の約85%を占め、残りを四つで分けている。
- 濃口 大豆と小麦をほぼ等量。塩分16〜17%。出荷の約85%。何にでも使える基準の醤油
- 薄口 原料は濃口とほぼ同じ。色を抑えて仕込む。塩分18〜19%。出荷の約11%。関西
- たまり 大豆だけ、または小麦を少し。とろみと濃いうま味。塩分16〜17%。出荷の約2%。中部
- 再仕込 塩水ではなく、できあがった醤油でもう一度仕込む。塩分12〜14%。出荷の約1%。山陰から北九州
- 白 小麦が主で大豆はごく少し。琥珀色で甘みが強い。塩分17〜18%。出荷の約0.7%。愛知
東と西
関東は濃口、関西は薄口。これは好みの差ではなく、土地の差から出てきた。
関西の醤油産地は軟水だ。鉄分などのミネラルが少ない水は、色の薄い醤油を仕込むのに向いている。そこに出汁を主役にする上方の料理が重なって、素材の色を消さない醤油が必要になった。
江戸は労働者の多い街だった。汗をかいて働く人が塩気の効いた濃い味を求め、熟成を長くとった濃厚な醤油が定着した。
九州の甘口は、濃口に砂糖とみりんを加えて仕上げる。砂糖が高級品だった時代に、九州は比較的手に入りやすかった。その名残だと言われている。
使い分け
色を残したい料理は薄口。炊き合わせ、含め煮、吸い物、若竹。素材の色をそのまま出す。
それ以外はほぼ濃口でいい。煮物、丼、照り焼き、卓上。日本の台所の八割以上はこれで動いている。
刺身と寿司にはたまり。とろみがあって、身に絡む。